IoT の特許保護方法!5つの観点から可能性を考えよう!

IT IoT の特許保護方法!5つの観点から可能性を考えよう!
質問者
アプリやプログラムの特許に関しては詳しくなったのですが、IoT周辺の特許に関してはどうなのでしょうか?
酒谷弁理士
アプリやプログラムと同じように、IoTに関しても、いろいろな観点から特許で保護できますよ。
質問者
そうなんですね。とはいえ、「IoT」といっても、漠然としていて、幅が広くないですか?
酒谷弁理士
たしかに、IoTにはいろいろなものが含まれていますね。ですから、今回は、IoTの中で特許で保護できる可能性があるものについて解説していきましょう。

IoTとは

IoTとは

質問者
最近はIoTという言葉を非常に良く聞くようになりましたが、具体的な問題点などありますか?
酒谷弁理士
IoTによって取得したビッグデータをどのように活用していくかという点が焦点になります。

まず最初に、IoTについて解説していきます。

近年、物のインターネットいわゆるIoT(Internet of Things)が流行しています。あらゆる物がインターネットに接続されることによって、あらゆるものからデータが取得でき、取得したデータを用いて新たなサービスを展開することができます。

取得したデータが蓄積されるとビッグデータとなり、そのビッグデータをどのようにビジネスに活用するかも重要になっています。

最近の例であれば、電気ポットの使用データをインターネットで確認することで、遠方にいる人の安否が確認できる、なんてサービスも、物とインターネットを接続したIoTビジネスの代表例ですね。

こういったビジネスモデルは年々増加してきています。

質問者
物の販売だけでは他社と差別化できない傾向が年々強くなっていますね。その点でも、物とインターネットを接続して付加価値をつけて販売するビジネスモデルがこれからも増えるでしょう。

それでは、特許では、そのようなIoTビジネスをどのように保護できるのでしょうか?以下、IoTビジネスにおいて特許で保護できる可能性があるものについて説明します。

IoTビジネスにおいて特許で保護できる可能性があるもの

IoTビジネスにおいて特許で保護できる可能性があるもの

質問者
では、特許という観点からIoTはどのような可能性があるのでしょうか?
酒谷弁理士
IoTもアプリやプログラムと同じように保護されることになります。具体的に見ていきましょう。

アプリやプログラムと同じように、IoTに関しても、いろいろな観点から特許が保護できますが、この章では、次の5点について解説していきましょう。

  1. センサという物
  2. 通信方式
  3. データ処理
  4. ビッグデータ仲介のプラットフォーム
  5. ビッグデータの処理

センサという物

まず、物からデータを取得する際に、新たなセンサを開発した場合には、センサという物について特許で保護できる可能性があります。

通信方式

また、データ通信については、IoTに特化した通信方式について、新たに特許を取得できる可能性があります。

ただ、この通信方式については、標準化することによって、通信方式についてのパテントプールを形成し、パテントプール内の特許を一括でライセンスしていくというモデルが考えられます。

質問者
通信方式については、標準化とともに、その標準方式で使用され得る技術について、標準団体に提案する前に特許出願をすませておくことが重要になりますね。

データ処理

データ収集後のサーバにおける処理について特許で保護できる可能性がありま す。

ビッグデータ仲介のプラットフォーム

IoTなどのデータについては、フォーマットが各社で異なると思われます。ですから、そのデータを管理するようなプラットフォームを構築して、ビッグデータの提供を仲介するプラットフォームビジネスが考えられます。

物から得られるデータについて、個人が特定されないようにデータが加工された後のデータについては、第三者に提供可能であるという契約をあらかじめ結んでおくことによって加工後のデータについて流通の対象にすることができます。

ビッグデータの処理

ビッグデータの処理について特許で保護できる可能性があります。

酒谷弁理士

このようにIoTに関しては、様々な観点から特許で保護できる可能性があり、

  • それぞれについて保護できないか検討する
  • 1つではなく多面的に保護ができないかどうか検討する

といったプロセスが推奨されます。

不正競争防止法上の「限定提供データ」としてビッグデータを保護

不正競争防止法上の「限定提供データ」としてビッグデータを保護

質問者
やはりIoTの一番の問題はデータの扱い方でしょうか?
酒谷弁理士
そうですね。ビッグデータの漏洩は問題でしょう。ですから、ビッグデータを不正競争防止法で保護することが必要です。

IoTにおいて、ビッグデータに関してはいろいろな側面があります。その中で、ビッグデータそのものについては、特許の保護対象にならないと思われますが、不正競争防止法上の「限定提供データ」として保護を受けられる可能性があります。

ここで、限定提供データとは、「業として特定の者に提供する情報として電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他人の知覚によっては認識することができない方法)により相当量蓄積され、及び管理されている技術上又は営業上の情報(秘密として管理されているものを除く。)」を指します(改正不正競争防止法2条7項)。

そして、

  1. 特定の者に提供するという限定提供性
  2. ID・パスワードによる認証、暗号化または 専用回線・専用アプリなどによって電磁的に管理されているという電磁的管理性
  3. データが相当量蓄積されているという相当蓄積性

の3つが要件が充足すれば、不正競争防止法の「限定提供データ」として保護を受けられます。

通常、ビッグデータの場合には相当量蓄積されるので、

  1. 特定の者に提供するという限定提供性
  2. ID・ パスワードによる認証、暗号化または専用回線・専用アプリなどによって電磁的に 管理されているという電磁的管理性

この2つを満たすことができれば、このビッグデータの 不正取得行為や不正使用行為などといった悪質性の高い行為に対して、民事訴訟法上の措置 (差止請求権、損害賠償請求権等)をとることができます。

質問者
ビッグデータを 限定提供性及び電磁的管理性を満たすように管理することが重要になりますね。
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