【海外で販路拡大】代理店契約時の知財面での注意点とは?

質問者
事業の海外展開を考えるということになったのですが、どうすれば良いのでしょうか?
酒谷弁理士
海外の販路を拡大するなら代理店契約が良いと思いますよ。
質問者
なるほど、代理店契約ですか。どういう点に注意すれば良いでしょう?
酒谷弁理士
代理店を活用できるメリットがある代わりに、秘密情報の漏洩があるかもしれません。その点だけ注意しておくべきでしょうね。

海外に事業展開を行う場合、代理店契約をするのがおすすめです。ただし、代理店契約にはメリットもありますが、やはりデメリットもあります。ですから、いかにデメリットを無くすことができるかというのが成功の鍵を握ることになるでしょう。

今回は海外での代理店契約において、知財面での注意点について取り上げます。これから海外進出を検討されている場合には参考になると思いますので、是非ご覧ください。

海外で販路を拡大する際の代理店にまつわるリスク

海外で販路を拡大する際の代理店にまつわるリスク

質問者
海外での代理店契約にはどのようなリスクがあるのでしょうか?
酒谷弁理士
まずはその会社が信頼できるかどうかという部分で大きく異なります。また、知財面でも色々なリスクが考えられます。

事業の海外展開を考えた時、現地の企業と代理店契約を結ぶという方法がおすすめです。自社独自で海外の販路を開拓するには大きな費用が必要となります。

そして、どれだけコストを掛けても、順調に販路を拡大することができない可能性もあります。理由としては、現地の商慣習や法規、更に知的財産権の取り扱いなど、日本国内で取得できる情報が少ないというものです。

その点、既に独自の販路を持っている現地企業との代理店契約は非常にメリットが大きいでしょう。ですから、多くの中小企業が海外展開を考えた場合には代理店を活用するのがおすすめです。

しかし、代理店というシステムには大きなデメリットもあります。それは、信頼関係です。
全ての現地代理店が信頼できるかというと、必ずしもそうではありません。例えば、次のような問題点が考えられます。

  • 現地の各種情報に思ったほど精通していなかった
  • 情報管理がずさんで重要な情報が漏えいしてしまった
  • 契約条件が代理店に有利な設定で結ばれる
  • 現地で他社の知的財産権に抵触する旨の警告を受ける

上記のような状況になると思うような事業拡大につながらずに、結果として海外展開が失敗に終わったということにもなりかねません。
特に知的財産権の侵害事件では、初動を誤ると訴訟にまで発展するケースもあり、以下のようなリスクを負うことになります。

  • 販売差止
  • 設備処分
  • 多額の訴訟費用
  • 多額の損害賠償費用

そして、最悪の場合には、撤退という事態になりえます。

質問者
海外での事業拡大を考えるなら代理店契約がおすすめです。しかし、信頼できる代理店でなければ事業拡大は失敗に終わる可能性もあります。

代理店契約が失敗に終わらないためにも、代理店との付き合い方をよく考えましょう。

代理店との「つきあい方」

代理店との「つきあい方」

質問者
海外の代理店と上手くつきあっていくにはどうすれば良いのでしょうか?
酒谷弁理士
お互いの得意分野を活かすことができれば、上手くつきあっていけると思います。

では、代理店とのつきあい方ということについて考えてみましょう。代理店契約ということを考えた場合、次の2つの手順が必要となります。

  1. 適切な代理店を見つける
  2. 代理店に販売活動をしてもらう

では、具体的に解説しましょう。

適切な代理店を見つけよう!

適切な代理店とはどのような代理店でしょうか。パートナーとして長く付き合うための条件としては、次の3点が重要でしょう。

  • 相手方の得意分野の製品群に自社製品が該当する
  • 販売力がある
  • 自社の技術や顧客情報等の秘密情報を確実に守れる

代理店の候補が見付かったら、直接訪問するのが良いでしょう。百聞は一見に如かずというように、自分の目で確認するのが一番です。
また、訪問の際には次の3点についても確認することをおすすめします。

  • 代理店の経営陣に信頼性がある
  • レスポンスが良い
  • 財務面でも健全である

上記の調査をクリアできれば、代理店契約を結んでも問題ないレベルです。

質問者
代理店はどのような企業でも良いというわけではありません。自社製品の販売に積極的な代理店を見極めましょう。

代理店にしっかり販売活動をしてもらおう!

上記のような代理店を見付けることができたら、代理店契約を結びましょう。そして、自社製品の販売活動をして貰いましょう。

販売活動のポイントとしては次の2点です。

  • 代理店の販売意欲を高める
  • 代理店の管理を徹底する

それぞれの内容を表1にまとめました。

表1 代理店との付き合い方の注意点
ポイント 内容
代理店の販売意欲の向上 仕入れても必ず売れるという安心感と製品の品質についての自信を持たせる。

  1. 信頼情報の提供
    (業界動向、製品優位性、知的財産、支援体制等)
  2. 付加情報の提供
    (日本招待、工場見学、同行営業、定期的な会議等)
代理店に対する評価 販売努力を正当に評価する。

  1. 事業環境に応じた評価の仕組みを構築
  2. 報奨金等のインセンティブ制度の導入
  3. 環境変化に即した販売目標の見直し
自社による代理店管理の徹底 契約内容を整備する。

  1. 独占販売権の設定可否を判断
    設定する際は、実施範囲、最低販売条件、ペナルティ規定、協業避止義務、強制解除権、監査実施権等を契約で忘れずに規定する。
  2. 営業秘密(事業活動に有用な技術上または営業上の情報で、公然と知られていないもの)を流出しないように徹底
  3. 商標・ブランドの適切な使用、販売フォロー体制の整備
質問者
代理店とうまくつきあうには、適切な代理店を選ぶことが最も重要です。

海外における商標権の取得

アプリの名称の商標について

質問者
海外に事業展開をする上で商品名で商標権を取得したいのですが、注意点はありますか?
酒谷弁理士
基本的には日本の商標権と同じ考えなのですが、海外では既に取得されてしまっているケースがあります。

海外における商標権の取得に関しては、事前に調査を行うことをおすすめします。実は、他社が既に自社名・自社の商品名・サービス名で商標権を取得しているというケースがあるので、注意しなければなりません。

海外で、知らずに他社の商標権に侵害していることが、後で発覚した場合、大きな損害となります。侵害している場合には商品名・サービス名は使用できなくなるので、名称を変更しなければなりません。

ですから、その国毎に事前に他社の商標権に抵触しないか調査しておいた方が安心です。また、調査して問題無いということであれば、その時点で自社名及び商品名・サービス名の商標権の取得をすることが望ましいでしょう。

代理店契約をしている場合、商標権の取得も代理店に依頼した方がスムーズにできると思われがちですが、出願は自社で行うようにしてください。代理店は永久的に代理店というわけではありません。ですから、リスクを考えて自社で行うべきでしょう。

質問者
海外では商標権が他社によって既に取得されている可能性があります。ですから、事前に調査し、できれば商標出願も自社が権利者になるようにすることをおすすめします。
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