



企業において、営業秘密や技術情報といった機密情報(秘密情報)は非常に重要な役割を果たします。そして、海外の場合は日本国内よりも更に管理を徹底させる必要があるでしょう。では、なぜ機密情報の管理が重要なのかを見ていきましょう。そして、本記事では具体的な管理方法についても解説していきます。
海外展開時の機密情報管理の重要性


海外展開を進める上で、自社の営業上の機密情報や技術上の機密情報を扱うことが多々あります。もちろん、機密情報なので、管理方法がずさんであれば、他社に漏洩する可能性もあります。他社に情報漏洩した場合、様々な問題が発生するでしょう。
そのようなことが起こらないためにも、機密情報の管理は徹底しておかなければなりません。
まず最初に行わなければならないのが、現地の代理店、生産委託先、現地社員との間で秘密保持契約を結ぶことです。そして、相手によって情報公開の範囲を決めるということも必要となります。
ただし、範囲の定義に関しては、一度作成したら終わりというわけではなく、定期的に見直さなければなりません。
また、秘密情報の管理方法としては、以下の点について取り決める必要もあります。
- 営業秘密や技術情報の保管や持ち出しルールの指導
- 電子データや紙ファイルなどへのアクセス制限
- 暗号化ソフトの導入
- 各種ルールの設定
このように、秘密情報の管理方法を整備しておくことで、いざというときに不正競争防止法で争えるようになります。

秘密情報管理の対応や考え方


国内でも海外でも自社の技術やノウハウを含む営業秘密が非常に重要な役割を果たすことは言うまでもありません。営業秘密は事業の成功を得る鍵を握っているので、秘密情報が流出してしまうということは企業の存続の危機的状況であるとも言えます。
ですから、国内だけでなく、海外子会社でも秘密情報管理体制を整備してください。海外でよくあるトラブルとしては、次のようなことが挙げられます。
- 情報の流出
- 模倣品の発生
ですから、上記のようなトラブルについては未然に防止しなければなりません。そのためには海外の現地法人での秘密管理体制の整備が非常に重要です。
また、注意しなければならないのは、海外では日本と同じようにはいかない部分があるという点でしょう。
例えば、海外子会社において、情報の開示に社員間で格差を設けることがストライキや暴動にもつながることもあります。ですから、秘密情報に関しては以下のような扱い方が望まれます。
- 社員間では同じ扱いをする
- 情報の開示・非開示を徹底する
また、国によっては、退職予定者は早急に退去させる必要があります。退職が決定してからも自社のオフィスや工場内に留めておく場合、機密情報を持ち出される可能性があるので注意が必要です。
重要な点は、その国の不正競争防止法上の営業秘密に該当するような保管方法を徹底する必要があるということです。ですから、技術情報や営業秘密はできる限り日本国内で管理し、海外の現地法人で保管するい情報および現地社員に開示する範囲を最小限にすることをおすすめします。
このように機密情報を管理することで、情報の漏えいを予防することが可能です。

秘密情報の管理方法の具体例


秘密情報の管理方法の具体例を以下に説明します。
- 秘密情報にアクセスできる範囲・人を限定する
- 退職直前の情報管理ルールを徹底する
- 秘密情報の書類には、「秘密」を表すスタンプを押す
- PCやUSBメモリにパスワードを設定する
- 入退室に関するルールを定める
- 秘密情報の書類は、鍵のかかるキャビネット等で管理し、鍵を開けられる人を限定する
- USBメモリや外付けハードディスクに無断でファイルを保存できないようにする
- オフィスや工場内で特に重要な場所には監視カメラを設置する
