知財面で注意することってありますか?
なるほど、ホームページ作成するのであれば、
- 商標権
- ドメインに関する不正競争防止法
- 著作権
の3つに注意する必要がありますね!
会社のホームページ作成においては、いろいろと必要なものがあると思います。例えば、次のものはホームページ作成前に準備しなければなりません。
- サーバー
- ドメイン
その他にも、ホームページに掲載するコンテンツとして以下のようなものがあります。
- お問い合わせの窓口
- 事業紹介
- 採用情報
- 位置情報
- などなど・・・
また、こういったコンテンツを作成していく上で、著作権、商標法、不正競争防止法に気を付ける必要があります。
ということで本日は、会社のホームページを作成に関して、
- 商標権に関する注意事項
- ドメイン名に関する注意事項
- 著作権に関する注意事項
の3つの観点から、解説していきましょう。
ホームページ作成時における商標権に関する注意事項
通常、創業時に会社のホームページを作成します。
また小売業であれば、自社のホームページとは別に、商品販売用のECサイトを立ち上げて物品を販売することがあると思います。
その際には、知財面でいろいろ注意が必要です。
では、
- 会社のホームページ
- ECサイト
を作成する際に注意しなければならない点について詳しく見ていきましょう。
創業の際の会社のホームページ
まず、自社のホームページに掲載する下記のものについて、同一または類似の商品・サービスについて他者が登録している登録商標を使用してはいけません。
- 自社商品
- サービスの標章
この点は、事前に自社が行う商品・サービスの標章が他社の商標権を侵害しないかどうか調査することにより、他社の商標権を侵害する事態を回避することができます。
ECサイト
ECサイトにおいて重要なのが商標に関する点です。ここでは、商標に関する以下の2点について詳しく解説していきましょう。
- ウェブサイトのタイトルやロゴデザインの商標登録
- 商標登録のポイント
サイト名やロゴデザインの商標登録のすすめ
一般的には、ウェブサイトで商品を販売する場合や、何らかのサービスを提供する場合は、商標登録を検討することをお勧めします。
その理由として、例えば、商品を販売するECサイト名について商標登録をしていなければ、他社が以下のような行為をしても残念ながら何の手も打つことができません。
- 同じECサイト名でウェブサイトを運営
- 同じネーミングの商品を販売
さらに、そのタイトル名について、自社で商標登録されていなければ他社に商標登録されてしまう可能性もあります。
すでにECサイトの運営をしているのに他社に先に商標登録されてしまうと、ECサイト名の使用が他社の商標権を侵害する場合、結果として、ECサイト名を変える必要もでてきます。
その他、ECサイトでなくても、例えば以下のような場合でもウェブサイトのタイトルやロゴは、商標登録をしておいた方が良いでしょう。
- ポータルサイトで広告収入を得ているような場合
- ASPサービス、SaaSサービスを提供しているような場合
商標登録のポイント
ECサイトについて商標出願する場合、例えば、洋服のECサイトであれば、「洋服の小売業務」や「洋服」を指定商品・指定役務とすることが考えられます。
一方、ポー タルサイトで広告収入を得ているような場合は、「広告」を指定役務とします。
更に例えば、自社で、洋服についてのポータルサイトで広告収入を得ている場合、 たとえ、洋服の販売を行っていなかったとしても、指定商品は「広告」だけでなく、「洋服の小売業務」や「洋服」も含めておいた方が良いでしょう。
将来、そのポータルサイト経由で洋服の販売をする可能性もあるかもしれませんし、自社で洋服の販売をしない場合であっても、他社が同じ名称で「洋服」のECサイトを始められると消費者は自社のサイトと思って間違って他社のECサイトに流れてしまうことになって しまうと、困ってしまうからです。
ドメイン名に関する注意事項
不正の利益を得る目的で、他社の商品等表示と同一若しくは類似のドメイン名を取得し、または使用した場合、不正競争行為に該当し(不正競争法2条1項19号)、ドメインの使用差し止め及び損害賠償を請求されるリスクがあります。
他社の商品等表示と同一若しくは類似のドメイン名というのは、具体的には以下のようなものになります。
- 人の業務に係る氏名
- 商号
- 商標
- 標章その他の商品または役務を表示するもの
よって、ホームページに使用するドメイン名を取得する場合には、ドメイン名が他人の著名な会社名や商品名・サービス名と同一または類似のドメインを取得しないように注意しましょう。
では、最後に著作権についてもお話ししておきましょう。
著作権に関する注意事項
ホームページで、以下のものを公開することは、後述する引用に該当しない限り原則、著作権侵害に該当します。
- 他人の文書
- 画像
- 写真
- 漫画や商品などのキャラクター
- 新聞
- 雑誌の記事など
なお、利用フリーの画像は利用可能ですが「利用時の注意事項」をよく読み、利用の範囲を守ることが必要です。またホームページで、これらの他人の著作物を利用する場合には、引用の条件を守ることが必要になります。
引用の条件とは、文章の場合、文章の質的にも量的にも利用する側の本文が「主」 であり、引用部分が「従」であるという関係が必要です。
すなわち、自分のオリジナルの文章が多くを占め且つ内容についてもそれが主であり、自分の文章の説明や補強として、他人の文章を利用するというのが引用です。